dellblorin日記

袖擦り合うも他生の縁

買いだめをする事は合理的

ニュースによるとスーパーやコンビニの棚がすっからかんになっているそうです。理由は大地震によって物資に対する不安感から、多くの人達が買いだめをしているためです。ネット上では日本全体が深刻な被害を受けたわけでもないのに、食べ物などが無くなると不安になり買いだめをするなんて馬鹿馬鹿しいし、本当に必要となる人々に物が行き渡らないため買いだめはするべきではない、という論調が多い様です。
私もこの意見に賛成しますが、現実に買いだめ騒動が無くなるかといえば無くならないと思います。理由は単純で今回の場合買いだめをした方が合理的だからです。

必要な分だけ購入し足りなくなったらまた買いに行く場合と買いだめする場合、そしてそれぞれに他人が同じく二つの行動を取った場合を考えてみます。

自分が必要な分だけ購入する場合

  • 他人が必要な分だけ購入

この場合、自分も他人も必要な分しか購入しないので、平時と同じですから後からいくらでも物を買う事が出来ます、なので「自分:0・他人:0」でしょう。

  • 他人が買いだめ

この場合、自分は必要分だけ保有し、他人は買いだめをするため店頭から物が無くなると思います。こうなるといずれ自分は買い物に行く事になりますが、スーパーで物を買えないため「自分:−1・他人:1」でしょう。

つまり自分が必要な分しか買わない場合、良くてプラマイゼロ悪くてマイナスと言う事になります。他人は買いだめした方が得なので買いだめを選択すると思います。結果必要分しか買わない自分は損をします。

自分が買いだめする場合

  • 他人が必要な分だけ購入

この場合、自分は沢山購入でき他人は必要分ですから、いずれ買い物に行く他人は物を買えず損をします。となると「自分:1・他人:−1」でしょう。

  • 他人が買いだめ

この場合、自分も他人も買いだめし多くの物資を手に入れます、そして両方とも追加の買い物が出来なくなるので「自分:0・他人:0」でしょう。

自分が買いだめをした場合、他人がどう行動しても少なくとも必要分と違いマイナスにはなりません。他人は必要分だけだと損をする事になるので、やはりここでも他人は買いだめを選択するでしょう。

 

結果として買いだめするのと必要分だけ購入するのとではどちらが得かを考えた場合、買いだめをするのが最も合理的な行動となり、自分が買いだめをし他人も買いだめをするという形に落ち着くものと思われます。
恐らく買いだめをしている人々も、わざわざ買い込む必要なんて無いが、他の人達が買い込んでしまえば本当に物が無くなってしまう、それでは困るため本来は必要無いが買いだめをしておかなくてはならない、という考えなのでしょう。だとすれば物流がストップして物なんて無くならない、買いだめをするなんて根拠の無い不安感に踊らされているだけ、という批判はあまり意味が無いかも知れません、なぜなら買いだめしている人達も、そんな事は分かってやっていると予想されるからです。