dellblorin日記

袖擦り合うも他生の縁

大人になって若者が苦手になった理由

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自分が若者の頃、大人が若者に対し独特の拒絶を見せるのを不思議に思っていた。そして自分が大人になり同じように若者が苦手になった。年齢でいうと大体中学~大学生まで。どうも彼らが近くにいると心がざわつくのである。なぜだろうか?

人間にはパーソナルスペースがある。パーソナルスペースとは他人に入られると不快に感じる個人的領域だ。このパーソナルスペースは精神にも存在する、心のパーソナルスペースだ。

大人は精神的な間合いのとり方が経験により巧みだ。他人の如何なる状態に遭遇しても無関心な態度で素通りできる。その点、若者は間合いのとり方が下手だ。すぐ接近し過ぎて他人の心のパーソナルスペースを侵す。羨望、親しみ、嘲笑、侮蔑、どんな態度にしろ若者の注目は過度に接近し大人には近すぎて不快なのだ。

大人達にある親近に至る間のいくつかの関所を、若者は付き合う人種の平坦さからくる平等意識で、それにより生じた馴れ馴れしさで素通りしてくる。

「若者の他人に対する無関心を装う技術の拙さが不安を掻き立てる」。これが若者を相手にする時の心のざわつきの正体だったのではないか。