dellblorin日記

袖擦り合うも他生の縁

保育無償化が生み出す3つの厄介な問題

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政府が保育無償化を打ち出している。

政府、2兆円の政策パッケージを12月8日閣議決定 幼児教育無償化に8000億円

保育無償化 誰のため? 所得水準で恩恵に差 

待機児童問題は小泉政権時代から問題視されているが一向解決しない。今回の政策は待機児童を含む子育て世代の負担軽減に繋がるどころか、かえって問題を悪化させかねないと考えている。

まず待機児童問題は需要超過に陥っているのが原因だ。普通は価格を引き上げることで供給を増やすのが一般的な対応策だろう。保育無償化は正反対の政策だから、需要を今以上に増加させ待機児童問題を一層深刻化させる恐れが強い。

もう一つの問題は所得に対し逆進的な点だ。保育サービスは所得に応じて負担も多くなる構造になっており、高所得者ほど高い保育料を支払っている。当然、保育料を一律無償化すれば恩恵は高所得者ほど大きくなるのだ。

保育所には認可保育所と認可外保育所がある。今回政府は認可保育所をより大きく軽減対象にする方向で検討しているようだ。認可されている施設とそうでない施設なら、安心感から普通認可保育所を選ぶものだ。認可外保育所を選択した人々というのは認可保育所の供給不足でしょうがなく利用している人々である。

しかも価格は認可外保育所の方が高い。認可保育所を優遇すれば不公平感が高まり、そもそも不満が強い認可外保育所の利用者層の不満をさらに高める結果になるだろう。

今回の保育無償化は、

1 待機児童のさらなる増加

2 保育所を探す親の労力、時間などの負担増

3 子育て世代の不平等感増大と不満の高まり

これら3つの問題を生み出しかねない。保育無償化は子育て世代の負担軽減どころか、より自体を悪化させるだけで終わるだろう。