dellblorin日記

袖擦り合うも他生の縁

無人販売の悪質性

最近、無人餃子店が話題になる。美味しくて人気であると同時に窃盗被害が多発しているからだ。私は無人販売という販売形態が嫌いだ。本来、店が行わなければならない防犯費用を、優良客や警察(ひいては納税者)に押し付けている。さらに犯罪教唆していると思えてならない。

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まず第一に優良客に負担を押して付けている点だ。盗まれる以上、被害金額というコストが発生している。当然、店は料金に上乗せするから、防犯対策をカットした結果、発生したコストは、正しくお金を払って買う客に押し付けられている。

第二に納税者に負担を押し付けている点だ。盗まれても何もしなければ窃盗犯が押し寄せて店は潰れるだろう。盗まれたら店は警察を呼び犯人を捜索、逮捕させる。警察機関は税金で運営されるから、活動すれば資金を消費するし、その店の事件のせいで別の何かが後回しにもなるだろう。これは納税者に防犯コストを押し付けているのだし、地域の警察により達成されるもの(例えば治安維持など)に負担をかけている。

第三は犯罪を誘発する点だ。盗みを働いた人は日本人の貧困層だったり、帰国前の外国人留学生だったりする。彼らは無人店舗という防犯を放棄した店がなければ、犯罪に手を染めなかったかもしれない。全員がそうだとは言わないが何割かは諦めたのではないか。無人店舗という形態は、犯罪者予備軍に犯罪実行の誘引を与え、本来なら犯罪者にならずに済んだ人を犯罪者に仕立てるのだ。

商品を盗まれた以上、店側は被害者だが、やるべき防犯対策も講じなかったのだから彼らを100%被害者扱いするのは間違いだ。

こうした無責任業態が普及するのは好ましくないが心配することもない。日本は今後貧しくなり、移民も増えて治安は悪化するだろうが、まだ他国と比べれば治安はよい。無人販売は、この端境期に現れて消えていく泡沫商売だからだ。