dellblorin日記

袖擦り合うも他生の縁

戦時中の様になってきた美しくない日本

新型コロナウイルスが広がるにつれ、国は国民に外出自粛、民間企業にイベントの自粛や休業を"お願い"した。お願いだから法的根拠も無く国民や企業が守る義務は無い。それにも関わらず日本社会の空気の支配と道徳警察が個人や企業を叩き、お願いを事実上の命令に変える様は恐ろしい。法的根拠も無く国家が民間に介入できるのなら、国家権力は何の拘束も受けずどんどん肥大化するだろう。

悪質なのは日本の空気の支配(同調圧力)と道徳警察を悪用している点だ。建前は強制力の無いお願いだから、国や自治体は自粛や休業による損害を補償しない。ここに来て安倍政権は新型コロナウィルス対策特措法を作り緊急事態宣言を発令した。だがこれも法的拘束力は無く補償も無い。本当に商店や企業に休業させたいなら義務化且つ補償を行うべきなのだ。

大阪府が休業要請に従わないパチンコ店を公表した。東京都も公表する予定という。

headlines.yahoo.co.jp

www3.nhk.or.jp

特措法により法的根拠は示されたとしても、補償が無いなら拒否する企業が出るのは当たり前だ。それにも関わらず晒しものにするのは同調圧力と道徳警察を悪用して休業を無理強いしたいからだ。パチンコ店を一生懸命叩いている人々は、暴走する国家権力の走狗になっていると気付かないのだろうか。

パチンコ組合の理事は「苦しいのはどこも一緒だ」などと説得を試みたという。これは戦中の「欲しがりません、勝つまでは」みたいなものだ。他人が苦労しているからと言って自分も苦労しなければならないとか、持つ権利を放棄する道理は無い。パチンコ店は何も悪くないどころか、彼らの要請の拒否という行動そのものが、日本が法治国家、且つ立憲主義国であることの証拠品なのだ。

他にもANAが自社のCAに縫製をやらせるというニュースがあった。

biz-journal.jp

女には裁縫というANAの時代錯誤には呆れるが、この様子はまさに戦時中の女子挺身勤労令そのものである。

日本社会はどんどん戦時中に似てきた。戦後75年経っても日本人の本質は変わらないようだ。