dellblorin日記

袖擦り合うも他生の縁

かんぽ生命の社内ルールは計算ずくで作られたのではなかろうか


【ノーカット】かんぽ生命社長、不適切販売で謝罪

かんぽ生命が顧客に不利益となる営業を行っていたとして問題になっている。その内容を調べてみた。

まず保険料の二重払いだ。すでに保険契約している顧客に乗り換えを持ちかけ新規契約。しかしこの時に解約するはずの旧契約を新規契約から7ヶ月後に伸ばしていたという。

これは新規契約から解約までの期間が6ヶ月以上あると、社内基準で乗り換え扱いにならず営業成績が上がるためだ。その間は新旧契約が重複しているから顧客は保険料を二重払いしていたことになる。

もう一つが旧契約を解約して乗り換えを行う時に手続きを3ヶ月先延ばしにしていた問題だ。これは社内ルールで解約後3ヶ月以内は「乗り換え」扱いになるが、それ以降だと「新規」扱いになるのを悪用した手口。乗り換えは新規より営業成績や手当が減る、そのため新契約を3ヶ月送らせていた。

だが新たに契約しようとした時、旧契約後の健康状態の悪化などが理由で契約出来ない人が続出したという。仮に新規契約できたとしてもそれまでの期間顧客は無保険状態になっていた。もし、この間に何かがあっても保険金は下りない。

二重払いしていたケースが2万2000件、契約の乗り換えで顧客が不利益を被ったケースは2万3900件に上るという。

かんぽ生命の経営陣は社内ルールが意図しない結果を生んでしまった、職員が暴走してしまったという態度をとっているが本当だろうか。色々ニュースを見ると以前から問題は社内で認識されており常態化していたことが窺われる。経営陣は承知の上で放置していたのではないか。

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今回の問題はかんぽ生命にとって利益を生むものばかりだ。二重契約は収益増になるし、解約から新規契約できないのは病気経験者や高齢者などの給付の可能性が高い人達だ。無保険状態の発生はその間に給付事案が発生してもお金を出さずに済む。

直接、営業職員に指示すれば大問題だが、社内ルールという溝だけを掘り後は水が流れるに任せる。暗黙的に職員に意図した通りの行動をとらせ、問題化したら責任は全て現場に擦り付けてルールを見直せばよい、そんな思惑はなかっただろうか。彼らにとって不測の事態はここまで大問題になるとは思っていなかった点だけかもしれない。

かんぽ生命は当初、顧客は契約に同意しているとして「法に反するようなルール違反をやったとは考えていない」と突っぱねていたというから極めて悪質だ。このような会社とは関わり合いにならないのが懸命だろう。