dellblorin日記

袖擦り合うも他生の縁

個人YouTuberの終わり

 

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YouTubeを開くと「おすすめ」欄に懐かしい顔が表示された。3、4年前にちょっと見ていたYouTuberで、気負わない感じの日常動画を淡々と上げていた。いつの間にか見なくなっていたのだが、その人の最新動画が何のきっかけか表示されたのである。

チャンネルを覗いてみると色々変わっていた。まず再生数が10分の1に減っていた。以前は3万、4万再生が平均だったのに、ここ最近の動画は3千、4千で止まっている。

サムネイルも変わっていた。以前はただ動画のどこかを切り取ったものだったが、よく急上昇に上がっている動画の様に過剰な表情を作り、自分で自分にツッコミを入れている文字がデカデカと表示されている。動画内容も以前と比べて若干懸命さが滲む。

その人以外のかつて見ていたYouTuberも探してみた。居なくなった人もいたが、残っている人も結構居て、彼らも上述のYouTuberと驚くほど状況が似ていた。申し合わせた様に再生回数は10分の1で、やはりサムネイルも動画内容も以前の牧歌的なものとは違う。

YouTuberという言葉も無かった3、4年前と違い、今のYouTubeは激戦区になっている。昔の様にちょっと気になる、ちょっと面白い程度では見向きもされない。減っていく再生数やコメント数を見ながら、彼らは危機感を持ったのかもしれない。だが付け焼き刃的に今風の演出を取り入れたところで、かつての人気を取り戻せるほど今のYouTubeはヌルくないのだろう。

再生数が減った今も投稿を続けているのだから、彼らはまだ諦めておらず大きな人気と収入を夢見ているのかもしれない。落ちぶれた再生数の動画の中で、懸命に喋る彼らの姿は悲哀を感じさせた。

YouTubeは今後さらに競争が激しくなるだろう。企業など複数の人間達が手間とお金をかけた動画を毎日大量投下し、もはや個人では太刀打ちできなくなる。既にその様になってきており、ますます加速するだろう。

いつか彼らもそれに気付いて辞めていくのかもしれない。その時は幾許かの収益を手にしてくれていることを願っている。