dellblorin日記

袖擦り合うも他生の縁

セブンイレブンの手口

セブンイレブンの外装写真

あるセブンイレブン加盟店が契約を無視して24時間営業を中止したことが話題になっている。

https://news.nifty.com/article/economy/cc/12117-10618/

人手不足が原因とのこと。これに対しセブンイレブン本部側は契約通り、24時間営業を続けるか契約破棄する場合の違約金1700万円の支払いを求めているという。

大の大人がしっかり契約書を読んで契約した以上、個人的都合で一方的に破棄するのは許されないという意見は最もだ。だが、セブンイレブンのアコギな手口が目に余るのもまた事実だ。

セブンイレブンは加盟店から利益に応じて一定額のロイヤルティを受け取るフランチャイズ方式を採用している。そして人件費は100%加盟店(オーナー)負担だ。どれだけ人件費が高騰しようと本部側は全く懐が痛まない。だからセブンイレブンは既に全国のコンビニが5万店超になっているにもかかわらず、未だに新規出店しようとする。人の確保やそれに伴うコストなど彼らには無関係なのだから。

食品の廃棄に関しても本部が圧倒的有利な契約となっている。ここ数年廃棄ロスも話題になる。特に話題になるのは恵方巻きだ。大量に作り、大量に売れ残り、大量に廃棄する。山と捨てられた恵方巻きの画像をネットで見たことがある人も多いだろう。これにもカラクリがある。

廃棄によるコスト負担は加盟店が85%、本部が15%と圧倒的に本部有利な契約になっている。そうであれば本部は加盟店に一本でも多く恵方巻きを仕入れさせた方が得だ。売り切れによる販売機会の消失も防げる。オーナーがどれだけ仕入れるかはオーナーの裁量だが、そこは本部と加盟店の力関係、どうしても無駄に多く仕入れ、結果、大量の食品廃棄が生じるのだ。

コンビニでよく言及されるのがドミナント戦略だ。同じ地域に大量出店することで知名度が上がり、数があることで消費者が利用しやすくなる。利用回数が増えれば習慣化しまた来店してもらえ、売上がどんどん伸びていく。以前どこかで読んだ記事ではこのような解説だった。当時、何ともはっきりしない説明だなと思ったのを覚えている。それは当然でこの説明は本質を突いていない。

どこかの店舗の売上が高ければ、その地域は高収益地区と判断し他のオーナーを使って大量出店させ、利益を根こそぎ持っていく。当然利益の共食いが起きるから各加盟店の売上は下がる。しかし、その地域全体のセブンイレブン店の総利益は増える。本部はロイヤルティで稼ぐからオーナー達は損をするが本部はより儲かるのである。これがドミナント戦略の本質だ。

セブンイレブンの特徴である24時間営業、売り切れがほぼない充実した商品棚、一地域に大量出店は、セブンイレブンが口にするお客様第一的な考えでやっているのではなく、全国のオーナーから利益を搾り取るために行っているのだ。

24時間営業を頭から否定するわけではない。必要とされている地域では継続してもいいだろう。だが全体一律は時代にそぐわない。さらに本部が過度に有利な契約内容も改めるべきだ。これらの改革は本部の損をもたらしても利益はもたらさないだろう、だが問題は白日のもとに晒され、もはや誤魔化すことは不可能だ。

批判の声はオーナーだけでなく一般市民からも上がっている。セブンイレブンの公式サイトには以下の社是が掲げられている。

私たちは、お客様に信頼される誠実な企業でありたい。 私たちは、取引先、株主、地域社会に信頼される誠実な企業でありたい。 私たちは、社員に信頼される誠実な企業でありたい。

これが嘘でないのなら、自らの理念を行動で示すべきだ。