dellblorin日記

袖擦り合うも他生の縁

Twitchのシステムと収益の相場を調べてみた

サブスクライブ

視聴者に配信チャンネルに入会してもらう時の会費。月額料金。ストリーマーはサブスクライブの7割を受け取り、3割をTwitchが取る。

料金プランはストリーマーが選択可能。
・4.99ドル(約510円)
・9.99ドル(約1,100円)
・24.99ドル(約3,300円)

ほとんどのストリーマーは4.99ドルプランを選択している。スマホからの入会は割増料金になっており750円かかる(恐らく1.5倍)。

視聴者側の特典。
・ストリーマーが設定したオリジナルスタンプが使用可能(チャット欄で表示できる)。
・バッジが付く(チャット欄で発言した時に、ユーザー名の頭に表示)。
・そのチャンネル動画での広告の非表示。
・ストリーマーが設定したサブスク会員限定動画を視聴できる。

Bits(ビッツ)

投げ銭。視聴者がTwitchから有料でビッツを購入、配信者にプレゼントする。
ビッツは100%ストリーマーの収益となる。
ビッツざっくり考えて「1bits = 1円」。

Amazon Blacksmith

Amazonの商品リンクを自分の配信ページに貼り付け、視聴者が購入すると収益になる。一般的なアフィリエイトと同じ。
取り分は平均で購入金額の約10%。

広告配信

ストリーマーは配信画面やアーカイブ動画に広告を貼ることができる。

ゲーム販売

配信中のゲームやゲーム内の課金コンテンツを視聴者が購入すると、購入金額の5%が収益になる。
対応ゲーム作品のみ可能で、現在対応ゲームは非常に少ない。

サブスク会員数と収益の相場

或るストリーマーA氏をサンプルにチャンネル登録者数、サブスク会員数における収益の相場を計算する。A氏のチャンネルは2020年10月現在、チャンネル登録者数3,100人。A氏はサブスク会員のみが視聴できるサブスク限定動画を公開しており再生回数は30~50回。直近の自作小説公開動画は110回程度だが、これは特殊な事例なので省く(恐らく小説読みたさに当月だけ一時的に会員が増えたと思われる)。

お金を払っている以上、サブスク会員限定動画は一応見ておこうと考えるのが人情だろう。サブスク会員の9割程度が視聴したとして、A氏チャンネルのサブスク会員数は多くて50人程度だろう。A氏チャンネルのサブスクプランは4.99ドルを採用しているため50人 × 510円 = 25,500円。7割がストリーマーの取り分なので25,500円 × 0.7 = 17,850円となる。ここにビッツの収益も足され、A氏の月の収益はおおよそ2万~2万5千円前後と見積もられる。

月間収益をチャンネル登録者数で割った数字を「1登録者あたり利益」と定義すると、A氏モデルでは25,000円 ÷ 3,100人 = 8円となる。TwitchではAmazonプライム会員は、特典として月に1チャンネル無料でサブスク登録することができる。この登録では半額扱いで収益は半額に対する7割になるが、今回は全てのサブスク会員が満額払っている前提で計算した。

チャンネル登録者数3,100人でサブスク会員数が50人と仮定すると、サブスク会員率は50人 ÷ 3,100人 × 100 = 1.61%となり、100人あたり平均1.6人がサブスク登録してくれることになる(A氏はお世辞にも人気ストリーマーとは言えないし、熱狂的ファンを持つストリーマーでもないため、もっと人気の高いストリーマーの場合、会員率は上昇するだろうことに注意)。

A氏のチャンネルの分析の結果、以下となる。

・1登録者あたり利益 = 約8円
・サブスク会員率 = 約1.6%

このA氏モデルを正しいと仮定し、月20万円(一人暮らしなら何とか生活可能な金額)の収益をTwitchで稼ごうとした場合の試算が以下だ。

・必要チャンネル登録者数 = 2万5千人
・サブスク会員数 = 400人(収益142,800円)

日本人ストリーマーとして人気のfps_shaka氏のチャンネル登録者数は340,657人(調査日時点)。予想月間収益は2,725,256円。予想サブスク会員数は5,451人、月間サブスク収益は1,945,833円となる。彼はA氏よりもファンの信仰心が篤そうだから金額はもっと高くなり、恐らく月収300万円前後なのではないだろうか。